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文鳥の換羽期

文鳥飼育

発情期が終わると、「換羽期」が来ます。

一般的にはちょうど今の時期が換羽の季節なので、今回は「換羽」について書いてみようと思います。

換羽って?

文鳥などの鳥には、年に1回程度「換羽期(かんうき)」という時期があります。発情期が終わる春頃に換羽が来るとされています。

その漢字からも分かるように、「換羽」とは、古い羽が抜けて新しい羽に生え変わることで、「とや」とも言い、この羽が生え変わる1~2ヶ月の間を「換羽期」と言います。

また、生後2か月頃から始まる初めての換羽を「ヒナ換羽」と言い、ヒナのふわふわしたやわらかな羽から、艶のある美しい羽へと変わるのです。

ヒナ換羽によって白文鳥は真っ白になり、白以外の文鳥もヒナの頃と羽色や柄が変わったりして、その後は、個体差にもよりますが年に1~2回ずつ換羽があり、鳥にとっては避けて通れない大変な時期です。

羽はどうやって作られるの?

換羽期では、栄養のほとんどが羽を作ることに使われます。

新しい羽は最初、羽鞘(うしょう)と呼ばれる、ストローのような筒に覆われていて見た目がツクツクとしていて、その先端がふわっとしてくると筆毛(ひつもう)と言われます。

羽が作られている段階では羽軸に血液が通っていますが、羽として完成する頃には血液は徐々に通らなくなり、その羽鞘の筒状のものが剥がれ落ちることで、羽が現れます。換羽期は羽繕いの時間が増え、羽繕いをしていた場所に一見フケのような粉が落ちますが、これは羽が覆われていた部分です。

換羽期のカノン。クチバシやアイリングの色が薄く、地肌も見えている。

また、羽は左右対称で抜けていきます。例えば左側だけ一気に抜けたら飛行もできなくなるので、換羽期でもバランスを取って動けるようになっているんだそうです!

飼い主が見ていて、なかなか左右対称で抜けているのを実感するのは難しいですが、言われてみれば、尻尾の大きな羽が1枚抜けると、その後も同じところから羽が抜けているような気がします。

換羽に入るとどうなる?

換羽期に入ると、最初はちらほらと羽が抜け始め、ある時を境に一気に抜け始めます。一回り小さくなったように感じられ、地肌がうっすら見えたりもします。写真を見て頂いてのとおり、少々痛々しいですね。

個体差はありますが、以下のような状態・症状が見られます。

  • アイリングやクチバシの色が薄くなる
  • イライラして攻撃的になる
  • 寝ていることが増える(元気がなくなる)
  • ケージから出てこない
  • 水浴び回数が減る
  • あまり飛ばなくなる or 飛びにくくなる
  • 飼い主のそばを離れない(甘える)
  • そっけなくなる
  • ご飯の量が増える(一時的に体重の変化あり)

アイリングやクチバシの色が薄くピンクになるのは、先にも述べたように、羽を作るため羽軸のほうに多くの血液が行ってしまうからです。

タンパク質、ビタミン、ボレー粉などのカルシウムをバランスよく摂取できるよう、飼い主が与える餌にも配慮しましょう。換羽期にはクチバシにヒビが入りやすかったりもします。日々健康をチェックし、餌やビタミン剤などを調整してあげましょう。

健康で元気な子でも、換羽に入るとあまり水浴びをしなくなったり、放鳥タイムにケージから出てこなくなったり、飛んだり遊ぶことが減ります。無理にケージから出したり、遊ばせようとせず、温かく見守ってあげたいですね。

またイライラして攻撃的になったり、そっけなくなることもあります。これは羽の生え変わることによって、体がムズムズしたりかゆかったり、疲れていたりするからです。換羽が終われば自然とおさまります。

羽を生やすために多くのエネルギーを使うため、食べる量も増えて体重が増えることもありますが、これも一時的なもの。

ただし、換羽が終わっても食べ過ぎてしまう子は体重が増えてしまうので、注意が必要です。

カノンの場合

カノンは換羽になると甘えん坊を発揮し、時折イライラや攻撃的になることがあります。私の手の中で寝ることが増え、水浴びも1~2日おきになります。時々ケージが開いていても、ツボ巣で寝ることもあります。

一般的に言われている「1カ月で終わる」ということはまずありません。羽が一気に抜け出してからピークが来るまでに、少なくとも2カ月かかっています。

カノンのヒナ換羽は、生後2カ月の2月から5月までの3か月間と、その後ヒナ換羽が終わってから思ったより2カ月後の7月から10月まで再び換羽期でした。獣医師によれば、「ヒナ換羽が2回に分かれた可能性がある」と言われましたが、1歳の時も2回換羽があり、2歳から3歳にかけては1回だけでした。

素人考えですが、最初の頃はビタミン剤を与えていなかったこともあり、栄養が足りていなかったのかもしれないと思っています。

以前、インスタでアンケートを取ったことがありますが、換羽は年に1回の子もいれば、2回の子や、その年によって変わる子もいて、個体差が大きいように感じました。

以下の写真は、カノンが換羽期に抜けた羽です。

だいたい1回の換羽で、100均のボトルいっぱいになります。当初、記念に羽を残しておきたくて集め始めたものですが、今となってはこれが換羽の目安となっています。

換羽期に飼い主ができること

換羽期はとにかく無理をさせず、日々愛鳥の体調チェックを欠かさないことが大切です。

私はカノンが換羽期に入ると、以下のようなことに気を付けています。

  • 一気に羽が抜け出した日をメモっておく
  • クチバシがひび割れていないかチェック
  • 撫でるときに羽を避けて、羽の生え具合をチェック
  • アイリングやクチバシの色が薄い時は少し早めに寝かせる
  • ピーク時にかけておやつに粟穂を与える
  • 必要に応じて、設定温度を少しあげる

カノンの換羽はまだ寒い時期に来ることが多く、あまりに羽が少なくなると体温維持が難しくなるので、保温に気を付けています。

また3か月に一度、爪切りのため病院に行っていますが、換羽のしんどい時期にはなるべく嫌な思いをさせたくないと思い、なるべく換羽のピーク時に爪切りが重ならないようにしています。

換羽期に病院にかかった経験

これまで換羽期に「これって大丈夫?」と心配になり、病院にかかったことが2回あります。

  • 抜けた羽の軸が黒い
  • くしゃみを頻繁にする

抜けた羽の軸が黒い

何本かの羽が黒くなっているのを見て、インコの場合は羽軸が黒いと病気の可能性があると知り、文鳥も同じかどうか心配になりました。病院に行く前に、インスタで小鳥に詳しい方に相談しましたが(その回答は後で病院で聞いた内容と同じでした)それでも念のため、小鳥の病院でも診てもらいました。

結果としては、特に問題はなかったです。今抜けている羽は前回の換羽時に成長した羽で、その際にどこかでぶつかったり、羽が形成される過程で血液が残ってしまい、黒くなってしまっただけだと説明を受けました。

くしゃみを頻繁にする

換羽に入ってから、カノンがくしゃみをするようになりました。週に3回ほどで、時には1日に何度もくしゃみをし、長いときは3分以上も続きます。換羽のピーク時に病院へ行くのは避けたいと思い、様子を見ていましたが、ある日、くしゃみとともに食べたシードや豆苗を吐き出したので、その場で病院に診察の予約を入れました。

症状を説明すると、鼻炎の可能性があるとのことでした。ヒナや成鳥後にビタミンA不足になると起こりやすいそうです。鼻炎が進行すると、1カ月後には鼻のあたりが腫れて見た目にもわかるようになると教えていただきました。病院での検査では異常は見られず、鼻から水を通すテストと糞検査も行いました。

カノンはビタミン剤を毎日摂取しているため、鼻炎の可能性は低いとのことでしたが、もし鼻炎であれば早めに抗生物質で対処することを勧めら、念のため翌週に再診、2回目の検査もしました。

結果として、異常は見られず、羽鞘の粉が鼻に入ってムズムズしてくしゃみを引き起こしていた可能性があるとのことでした。そのようなときは水を飲ませると良いそうです。

くしゃみは鼻炎だけでなく、風邪をひいている可能性もあるため、必要であれば再度病院で相談することをお勧めします。

冬の通院時には移動用キャリーケースにカバーやブランケット、カイロなどで保温をしっかりとして、温度が下がらないように注意しましょう。

まとめ

換羽は、文鳥にとって負担もストレスも大きく、体調を崩しやすい時期でもあります。いつもと違っても換羽期ならではのものなら良いですが、見極めが重要です。老鳥になると、換羽を乗り切れず亡くなることもあるので、細心の注意を払いたいですね。

ヒナ換羽の頃のカノン。

飼い主側は、栄養のある食事を用意し、優しく労わってあげるぐらいしかできませんが、なるべく早く終われるようにサポートしましょう。

羽はアイリングやクチバシの色と同様、健康のバロメータでもあります。艶のある綺麗な羽は健康の証。換羽期はもちろんのこと、常日頃から愛鳥のわずかな変化を見逃さないこと健康チェックを怠らないようにしたいですね。

余談

私は「換羽期」というものも知らずにカノンを迎えました。生後2カ月から羽が抜け出したとき、病気かと思って慌ててネットで調べたり友達に聞いて、初めて「ヒナ換羽」だと知りました。

背中にあったグレーの羽がヒナ換羽によって真っ白になることすら知らなかったので、お店でカノンを指名するとき「一番元気で、一番白いこの子にする!」と決めたのです。お迎え前に換羽でみんな白くなることを知っていたら、運命の出会いが違う子だったかもしれません。(笑)

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